この記事は、2024年に「富裕層マーケティング」として公開したものを全面的に書き直している。
当時の僕は、確認できない成功事例と数字を並べて、自分がまだ試していない方法を、効く方法のように書いていた。
そこは全部やめる。
代わりに、実際に仕事を受けて使えたのは三つだけだった。約束、範囲、証拠だ。
どこまでを約束にするか
「Web制作できます」「AIを使えます」「いい感じにします」では、相手は完成後を想像できない。言えることが広すぎるからだ。
だから僕は、自分が責任を持てる変化だけを、相手が確認できる言葉にして渡す。
| 曖昧な説明 | 確認できる約束 |
|---|---|
| SEOに強いサイトを作る | 検索エンジンが読める基本設定と、記事を増やせる構造を整える |
| AIで効率化する | 対象工程を一つ選び、人が承認する手順まで残す |
| 売れるLPを作る | 誰向けか、提供内容、証拠、CTAが一画面の流れで分かる状態にする |
売上、順位、問い合わせ数は、自分だけでは決められない。そこを約束すると、強く見えても後で守れなくなる。僕が約束するのは、判断材料と仕組みを納品するところまで。
そのために僕は、「何を作るか」と一緒に、「どうなれば完成か」「どの画面や端末で確認するか」まで先に決める。依頼側と制作側が同じものを見て完成と言える状態があれば、納品直前の「まだ足りない」を減らせる。
範囲は「やること」より「やらないこと」から書く
受注前は、できるだけ多く含めた方が親切に見える。でも、境界がない仕事は、依頼側も制作側も不安になる。
- 何ページまで作るか
- 原稿・画像・ログイン情報・承認期限を、誰がいつまでに用意するか
- 修正は何を、どの時点まで受けるか
- 公開後に何日、どこまで確認するか
- サーバー、広告、法務、成果保証を含むか
依頼側の準備期限まで書くと、待ち時間と制作時間を混ぜずに済む。ここに「含まないもの」も並べる。追加の判断が必要になったとき、最初の約束を守るために書く。
範囲を狭くすることは、価値を下げることではない。責任を持てる場所を明るくすることだ。
僕自身、会社設立で「何でも相談できる会社」にしたくなった。でも、何でもできると言うほど、誰が何を頼む会社なのか分からなくなった。テーマ改修も記事制作も相談も入れたら、僕自身が最初に何を約束するのか決められなかった。今は、まず一つの仕事を受注から納品まで再現できる形にする。
工程が、いちばん小さい証拠になる
実績が少ない時期に、強い数字を見せたくなる気持ちはある。でも、確認できない事例や仮のCVRを書けば、短期的に立派に見えても信用を失う。
今ある証拠を、小さい順に出す。
- 完成物:実際に動くページ、資料、仕組み
- 工程:何を確認し、どう作り、どこで人が判断したか
- 条件:どの状況なら使え、どこでは使えないか
- 結果:納品、継続利用、測定できた変化
顧客名や非公開情報がなくても、工程は「どのように品質を守る人なのか」を判断する証拠になる。ただし、工程は売上や順位が上がった証明ではない。
これは自分のブログでの話だが、仕事でも、見せているのは同じ工程になる。何を直し、どこで確認し、失敗したときにどう戻せるようにしたかまで残す。
僕がWordPressテーマを作ったとき、最初の生成で終わらせなかった。0.1.1から0.5.7まで、更新は21回。実際の記事を入れて初めて、長いタイトルや目次の崩れと、タグが0件の記事に出る空のフッターが見つかった。そこでテーマ側の条件分岐を直し、320pxの画面まで確認。最後は復旧用のファイルと運用記録を残してある。次の修正でも、何を変えたかを追える。
受付数は、守れる品質から決める
「今だけ」「残り3名」と書けば、人は動くかもしれない。だが、本当に期限や枠がないなら、それは設計ではなく演出だ。
消費者庁は、期限が過ぎても同じ条件が続くカウントダウン表示を、ダークパターンの例として紹介している。だから僕は、演出としての限定を使わない。
一人会社なら、まず自分が処理できる上限を決める。
僕は、同時に進める案件数、返答する時間帯、今月確保できる制作時間を先に見る。確認や記録を省きそうになったら、受付を増やさない。
その上限から受付枠が決まったなら、正直に伝えればいい。埋まらなかったときに毎回延長する期限は置かない。
価格を決める前の確認表
約束
・誰の、どの状態を変える仕事か
・完成時に何が手元へ残るか
・完成と判断する条件は何か
範囲
・依頼側が用意するものは何か
・含む作業と含まない作業は何か
・修正と確認はどこまでか
証拠
・実績として言える事実は何か
・成果を保証できない部分は何か
・同時に何件まで品質を守れるか
この9項目が曖昧なまま価格だけを上げても、相手の不安は消えない。反対に、全部説明できれば、最安値でなくても比較できる。
案件を探し、応募を決めるまでの流れは、Codexで案件を探し、応募を決めるまでに残している。会社の入口で迷ったことは会社設立で本当に難しかったことへ。
更新履歴
2024-07-18:富裕層マーケティングの記事として公開
2026-07-18:未確認の成功事例・数値・希少性表現を削除し、約束・範囲・証拠の実務記事へ全面改定
2026-07-19:範囲の重複、見出し、引用位置、確認表、語尾を再編集し、アイキャッチ画像を差し替え





