この前、CodexとClaudeを使って、長文記事を5本つくり、同じ日に納品した。
1本ずつ読んでいると、それなりに自然に見える。でも5本を横に並べた瞬間、同じリード文、同じ言い回し、同じ会話例が目に入った。
「あ、これAIが書いたな」と、記事そのものではなく記事群から見えてしまう。
無事に納品はできた。ただ、今回いちばん残ったのは、5本を速くつくれたことではない。AI記事制作で大事なのは、うまいプロンプトより、誰に何を担当させ、どこで止めて確認するかの設計だった。
1本では見えなかったAIの癖
今回、5本をまとめて確認したことで、次の癖が見つかった。1本だけなら、それぞれ見逃せたかもしれない。
- 似たような導入から始まる
- 「読み終えるころには」のような構文が何度も出る
- 別の記事で同じ会話例を使う
- 何でも「3つのポイント」に整理したがる
- 導入、本文、まとめで同じ結論を繰り返す
どれも、文法が壊れているわけでも、情報がまったくないわけでもなかった。
でも、5本並ぶと癖になる。自然な文章を1本つくる確認と、自然な記事群をつくる確認は別物だった。
2023年の僕は、AIで7日間に100記事以上をつくった。ただ、公開後の検証も、記事どうしの重複確認もほとんど残していなかった。今回は5本で一度止まり、まとめて見ることができた。数は少なくても、この違いはかなり大きい。
最初に、順番を間違えた
もう一つ、はっきり失敗したことがある。先に記事をつくり、あとから読者像を固めた。すると完成後になって、落ち着いた文体にする、煽りではなく数字で説明する、安全面は注意だけでなく行動まで示す、といった修正がまとめて必要になった。
どれも文章の表面だけを直す話ではない。読者が変われば、何を先に説明するか、どの言葉を避けるか、どこまで具体的にするかも変わる。
読者設定は、記事を書いた後につけるラベルではなかった。
次からは、本文を書く前に、読者の状況、不安、信頼される語り口、避ける表現、読後に取ってほしい行動まで決める。ここが曖昧なまま書き始めると、あとで手戻りが増える。
AIを1人の万能ライターにしない
今回、役割を分けた。Codexには、記事の設計、調査、本文づくり、数字の確認、ファイル化を任せた。Claudeには、日本語として自然か、複数の記事で表現を使い回していないかを見てもらった。そして最後に、もう一度Codexで事実と構造を確認した。
読者を決める
→ 記事ごとの役割を分ける
→ 調査して書く
→ 5本をまとめて自然さと重複を確認する
→ 数字・出典・構造を再確認する
→ 最後は人間が判断する
この流れにしてから、AIが「文章を書く人」というより、小さな編集部に見えてきた。一人に全部やらせるのではなく、書く役、読む役、事実を守る役を分ける。AIを増やすことが目的ではなく、同じ見落としを同じAIにそのまま通過させないための分担だ。
自然な文章に直すほど、事実確認が必要になる
ここは少し怖かった。文章を自然に直す工程で、数字、計算、出典、タイトル、検索結果向けの説明まで、しれっと変わることがある。読みやすくなっているから、そのまま通したくなる。でも、文章が良くなったことと、事実が保たれたことは別だ。そこで、自然さのレビュー後に次を確認した。
- 計算結果が変わっていないか
- 出典が残っているか
- タイトルや検索結果向けの説明が維持されているか
- Wordの表や見出しが壊れていないか
- 顧客情報が本文へ混入していないか
AIっぽさを消すための編集が、事実まで消してしまったら意味がない。自然に読めるかと、事実が合っているかは、別々に見る。自然さを確認した後、元資料へ戻って事実を照合する。面倒に見えるけれど、納品物ならここは省けなかった。
次の案件で、もう一度試す
AIに任せる工程はかなり増えた。ただ、記事の相手と約束を決め、数字と顧客情報を確かめ、相手へ渡せる状態か判断するところは僕が持つ。
AIは候補を出せるし、文章も直せる。けれど、約束と責任までは引き取らない。Codexとココナラで仕事を進めた記録でも、AIで作業の手間は減らせたが、応募、合意、納品の判断は僕が持った。
今回見つけた癖やチェック項目は、まだ一度の案件で見えたものだ。すぐに全部を固定ルールにはしない。
次の案件でも、読者を先に決める。記事群をまとめて見る。自然さのレビュー後に、数字と出典を戻って確認する。それで同じ問題が減るかを確かめ、再現できたものだけを手順として残す。
2023年は、同じ未検証の作業を100回繰り返した。その結果は、AIで7日間に100記事つくった。3年後、検索流入はほぼゼロだったにまとめた。
今は、5本で一度止まり、何が起きたかを次の工程へ戻す。
速く書くことをやめたわけではない。
速さが、検証を追い越さないようにした。





